今回のコラムでは課題解決型研修を成功させるための5つのポイントのうち、3つ目と4つ目のポイントについて考察をしていきたいと思います。

課題解決型研修を成功させるための5つのポイント

ポイント1)運営事務局のリーダーシップ
ポイント2)参加する受講者の選定とグループ分け

>前回のコラム参照

ポイント3)受講生の提言の取り扱い
ポイント4)プログラムを継続させるためのリソースの確保
ポイント5)講師の選定

>今回取り上げるポイント

成功のポイント その3
受講生の提言の取り扱い

受講生が業務の合間に時間をみつけて必死にまとめた提言を受け手側の経営層がどう取り扱うかは受講生のモチベーションに大きく影響します。また、2回、3回とプログラムを続けようとする場合にやはり一つでも研修の提言が会社の施策として真剣に検討されている実績をつくっておくことは2回目以降の受講生の取り組みの真剣度に大きく影響します。

避けなければいけないのはあいまいな状態で何となく発表して終わりという状態にしてしまうことです。提言として弱い部分があれば受け手の幹部側がキチンとそのことをフィードバックして受講生に「まだまだ自分たちの提言に甘さがあった」と腹落ちさせる必要があります。

よい提言であれば次のアクションにつながるように具体的なプランを発表の場で指示できると理想的です。「この件は次の経営会議の議題として取り上げる」「XX部門に改めてプレゼンテーションをして、その結果を報告してほしい」など、連続的なアクションに結び付けてください。その後の動きは事務局がフォローし、経営層との橋渡しをするのも重要です。

成功のポイント その4
プログラムを継続させるためのリソース確保

幹部育成研修が一過性のブームで終わらないようにするためには、改善をくわえつつ継続していくための適切なリソース確保が求められます。

最初からあまり豪華なプログラムにしてしまうと会社の業績が下振れしたときに真っ先に予算削減の対象になりやすく、継続が難しくなります。講師や研修を提供する会社に支払う費用だけでなく、会場代や備品のレンタル費用、宿泊代なども早めに計画することでコストを抑えられます。また集合研修ですべて行うのではなく、受講生への知識のインプットなどは動画教材などを活用していくことも限られた予算を有効活用する方法です。 こういった幹部育成プログラムを5年以上継続して取り組めている企業では、研修の内容の改善とコスト効率の向上を常日頃行っており、会社の業績に関わらずトップを含めてプログラムの継続のためのリソース確保にコミットしています。

前回と今回のコラムで課題解決型研修を成功させるための5つのポイントのうち4つについて考察をしました。次回は最後のポイントの講師の選定について考察していきたいと思います。

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